私のことば/青少年を取り巻く有害環境対策の推進
泉 潤一(文部科学省生涯学習政策局青少年教育課長)
近年、携帯電話やスマートフォン、パソコン等の普及により、子供たちがインターネットを利用する機会が増加しています。便利に使える一方で、「ネットいじめ」やインターネット上の違法・有害情報等による犯罪に巻き込まれる危険性等が問題となっています。
内閣府の調査によると、青少年が何らかの機器でインターネットを利用する割合は全体で79.7%(小61.3%、中80.3%、高97.7%)と年々増加傾向にあります。利用時間についても、高校生の約3人に1人は、1日に4時間以上利用しているという結果も出ており長時間化の傾向が見られます。
文部科学省では、昨年7月30日に子ども・若者育成支援推進本部で決定された、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第3次)」などを踏まえ、関係府省庁等と連携しつつ、青少年をインターネット上の有害情報から守るための取組を推進しています。具体的には、
・小・中学生向けと高校生向けの普及啓発資料の作成・配布
・フィルタリングやインターネット利用のルールに関する学習・参加型のシンポジウム「ネットモラルキャラバン隊」の開催
・いわゆるネット依存傾向の青少年を対象とした自然体験や宿泊体験プログラムの実施を通じたネット依存対策の実施
などです。
また、多くの青少年が初めてスマートフォンなどを手にする、春の卒業・進学・新入学の時期に合わせ、関係府省庁等が連携して、「春のあんしんネット・新学期一斉行動」を展開し、全国の教育委員会、学校、PTAなどに協力を依頼しています。
現在、インターネットは国民の日常生活の一部となり、多くの場面でその恩恵を受けています。しかし便利なものである一方、青少年の健全な育成を妨げるような有害情報等も氾濫しています。誰でも気軽にインターネットを利用できる世の中になりましたが、安全に安心して利用するためには、やはりインターネットの危険性についての最低限の知識と、注意が不可欠です。青少年だけでなく我々大人たちも、一緒に学んでいくことが重要であると思っています。
第1回全視連常任理事会開催 事業計画案を承認
「ICTメディア研究」「地域メディアセンター構想研究」の調査を実施
去る4月22日、(一財)日本視聴覚教育協会会議室において平成28年度第1回常任理事会が開催されました。
会議では、平成28年度事業計画書案・収支予算書案・役員改選等の審議が行われ原案を承認、第1回文書理事会へ提出する事になりました。
以下、事業計画案の概要を抜粋して掲載いたします。
(1) 会議
①理事会
第1回文書理事会 5月上旬
第2回 理事会 11月18日(金)
②常任理事会
第1回常任理事会 平成28年4月22日(金)
第2回常任理事会 11月上旬
③専門委員会
専門委員を委嘱し、情報交流や研究・研修事業の推進。全国大会における全視連関係分科会での指導助言・運営・記録等の協力体制を継続する。
④加盟団体代表者・事務局長 会議
全視連の実質的な情報交流の場として、全国大会の折に会議及び研修を行う。
・期日:平成28年11月18日(金)予定・会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
・各加盟団体間の情報交換及び協議、質疑応答
・研修:文科省担当者or学識経験者(予定)
⑤教育メディア利用推進会議(継)
社会教育及び教育メディア関係団体との連携により、生涯学習における教育メディア利用を推進するための方策及び活動について広く協議を行う。
⑥著作権処理のための事務処理
ライブラリーからの「視聴覚教材の移管届け」および「視聴覚教材の廃棄届け」について各加盟団体を通して受け、権利者団体の公益社団法人映像文化製作者連盟へ提出する。
(2) 実施事業
①平成28年度視聴覚教育・放送教育合同全国大会の開催(外部リンク参照)
②全国視聴覚教育連盟視聴覚教育功労者の表彰
平成10年度より実施しているこの表彰制度については、平成28年度は第19回表彰として実施する。
③平成28年度ブロック別メディア研修会の開催
各加盟団体が実施している研修事業等を支援する(九州地区の開催を予定)
④調査研究事業
「ICT化社会に対応したメディアセンター機能及び環境の在り方」に関する研究
*「ICTメディア研究部会」 (継)
ICT時代に即したメディア利用や映像コンテンツのデジタル化等の促進策を検討する。視聴覚センター・ライブラリーがICT環境整備やICT活用を視野に入れ、他のメディア組織との関係を含めながら、地域のメディアコミュニケーションづくりに貢献する姿を検討する。
*「地域メディアセンター構想 研究」(改)
地域における学びに役立つメディアサービスを行うために、視聴覚ライブラリー機能をどうリフレッシュさせる等の促進策を検討する。
単なる“映画や録画教材の貸出機関”から「ICTを駆使し、メディアを学び・創り・送り・使うための学習機会の共有、技術支援、機器及び環境提供をサポートする地域メディアセンターとしての在り方」を検討する。
*新教育映像利用に関する調 査研究事業(継)
生涯学習に役立つ映像教材として、どのような作品が必要か、利用者の視点から視聴覚センター・ライブラリーが整備した方がよいと思われる市販映像教材について調査研究を行う。
⑤講師派遣事業等の実施(継)
各加盟団体が実施している研究会・研修会を一層有意義なものにするため、全視連が組織する“全視連指導協力者会議”の学識経験者の他、要請に応じた講師の派遣等を行う。
⑥全視連企画教材
平成28年度は「知っておどろく保存食! ~日本人の知恵~」をタイトルとしたインターネット教材で子どもゆめ基金助成事業に応募したところ、4月1日付けで交付決定通知を受けた。
(3) 共催事業
①全国自作視聴覚教材コンクール
②一般財団法人 日本視聴覚教育協会事業への協力
(4) 年間刊行物(WEB版を含む)
「全国公立視聴覚センター要覧」「視聴覚センター・ライブラリー一覧」「各種調査研究事業報告書」
(5) 広報活動
「視聴覚教育時報」(隔月刊)の発行。「メールマガジン」の発刊(月刊)。「ホームページ」(全視連だより)(ブログ全視連)の改善
全視連講師派遣事業報告書 平成27年度 富山県視聴覚教育研修会
1・実施日
平成28年2月9日(火)13:30〜16:45
2・実施場所
富山県教育文化会館 集会室
3・参加者
80名
4・実施内容
(1)とやま映像コンクール表彰式・講評・優秀作品視聴
平成27年度「とやま映像コンクール」に自作ビデオ22作品が応募され、ふるさと部門、自作視聴覚部門(生涯学習・社会教育の部)、同(学校教育の部)、計9作品が入賞し、表彰された。審査員を代表して、NHK富山放送局の竹内秀樹委員は、「現代は映像の時代であり、どんな言葉よりも映像のもつ力は強い。そして、驚きや、関心、なぜかという気持ちを大切にし、映像をツールにして自分の思いを表現させて欲しい」と講評された。
その後、各部門優秀賞作品の制作者が作品のねらいと制作時の工夫などを発表し、視聴した。
(2)講演
演題:「市民メディアの時代における映像による知の循環と伝承」
講師:富山大学人間発達科学部 人間環境システム学科長教授 黒田卓氏
パワーポイントで分かりやすく、楽しく講演された。
①市民メディアとは
スマートフォンの出現は目を見張るものがある。異常ともいえるその活用度の高さの根源はどこにあるのだろうか。
②誰もが常にカメラを持ち歩く時代
高精細度の静止画カメラとビデオカメラ機能、さらに高度の送信機能まで付いてフェイスブック等でグループ内で映像まで共有する。話題は無限となる。
③行き過ぎた話題作りから問題が発生
書き込みされた映像を簡単に他のグループへ送信。奇をてらった映像が物議を醸す事例に事欠かない。
④スマホの映像作りを有効に活用
映像を簡単に撮り、残し、共有することができる。気軽な作品への近道だ。
⑤とやま映像センターはすばらしい地域映像ライブラリー
三八豪雪、こきりこ踊りなどの映像は小学校社会科で、またネットでは、県外からの視聴が多い。
⑥知を伝える身近なデジタルアーカイブ
あたりまえのことを映像に蓄積することからの発見。道路の融雪、長靴、縦型の信号機、交差点の除雪スコップ、祭り、習慣等
⑦先ずは仲間を誘って撮影を始める活動から
5・研修の成果
他県出身の講師の体験から、富山への驚きを再発見させていただいた。知っているようで知らないスマホの世界の実情などで有意義な情報を得ることができた。
自作視聴覚映像を制作する上で、多くの教示を得られた研修会となった。
視聴覚ライブラリー所有の視聴覚教材の移管や廃棄について
全視連各加盟団体内の視聴覚ライブラリーや賛助会員において、組織の統廃合により他の教育施設への教材移管や老朽化による廃棄処分等が行われる所がありましたら、各視聴覚ライブラリーからの移管届や廃棄届を加盟団体にて取りまとめの上、全視連事務局へ送付くださるように、お願いいたします。
なお、届け書類を全視連ホームページにUPしてありますので、ダウンロードの上、ご参照下さい。
1.【移管する場合】
視聴覚センター・ライブラリーが保有する視聴覚教材(フィルム・テープ・ディスク)を、施設の統合や廃止に伴い他教育施設に移管する場合、その視聴覚教材作品名などを「視聴覚教材の移管届け」を参考に記入し、道府県加盟団体を通じ全国視聴覚教育連盟に提出し、全視連は映像文化製作者連盟に通知して、著作物の移管が完了します。
2.【廃棄する場合】
視聴覚センター・ライブラリーが保有する視聴覚教材(フィルム・テープ・ディスク)を、廃棄処分しようとする場合、その視聴覚教材作品名などを「視聴覚教材の廃棄届け」を参考に記入し、道府県加盟団体を通じ全国視聴覚教育連盟に提出し、全視連は映像文化製作者連盟に通知し、著作物の廃棄を完了します。
※なお該当作品数が多い場合(20作品以上)はエクセル等のデータでの提出をお願いいたします。
3.【届け送付先(加盟団体より送付)】
全国視聴覚教育連盟事務局
電話 03-3431-2186
info@zenshi.jp
【お見舞いのことば】平成28年熊本地震被災地の皆様及び視聴覚センター・ライブラリー関係の皆様へ
井上 孝美(全国視聴覚教育連盟会長・全国公立視聴覚教育センター連絡協議会幹事長)
このたびの平成28年熊本地震により被害を受けられた皆様及び関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震により、犠牲になられた方々、未だに安否不明となっている方々、家屋が倒壊された方々及びそのご家族はじめ関係の方々に心よりお見舞いを申し上げます。
過去に例を見ない程の余震が続き、ライフラインが断たれ、各地の避難所や車中で飲料水や食料が不足し、ご不自由な暮らしをされている方々の不安と苦しみはいかばかりかとお察し致します。
一日も早く安心して暮らせる時が来る事を心から願っております。
また、新年度に入りましたが、災害を受けた地域の視聴覚教育関係や生涯学習関係の職員の皆様には、市町村民の為にそれぞれ緊急的な責務を果たしておられる事と思います。
全視連及び公立センター協議会と致しましても出来る限りのご協力ご支援を致したいと考えております。
皆様が、一日も早く従前の活動が行えるようになる事を祈念いたしましてお見舞いのご挨拶と致します。
えすけーぷ
新たに視聴覚センター・ライブラリー等教育メディア関係の担当になった方々も、仕事に慣れてきた頃と思います。メディア環境の進捗により、16ミリ映画やビデオ教材の貸出だけを業務としてきた視聴覚ライブラリーから、ICTメディア等と融合した地域メディアセンター化”の方向が検討されています。ここで、大切にしたい事は“地域のメディアニーズ”だと思うのです。もう視聴覚の時代は終わった”と言うだけでなく、今日の教育メディア環境を踏まえつつ、“自らの地域の教育現場や一般市民の方々に役立つにはどうしたらよいか”を第一に考える事が大事だと思うのです。しかし、WEBサイト等で見てみるとICT関係の事業を取り入れている反面“子供映画会”とか“**市映像祭”と言うイベントも行われている事もわかります。地域に即したメディアセンターを期待しています。