視聴覚教育時報 平成22年8月号(通巻662号)index
◆私のことば 文の京発 豊穣の華/上野晶子((財)文京アカデミー アカデミー文京所長兼響きの森文京公会堂館長)
◆速報 第14回視聴覚教育総合全国大会開催・第14回視聴覚教育総合全国大会開催=ネットワーク社会におけるメディアとヒューマンコミュニケーション=
◆「全国視聴覚教育連盟視聴覚教育功労者」決定―12名の方々が受賞―
◆平成22年度「新教育映像に関する調査研究事業」参加ライブラリー募集
◆平成22年度全視連講師派遣事業〈新規事業〉
◆えすけーぷ
今夏TVや新聞等で報道された世界最大の花「ショクダイオオコンニャク」のことは記憶に新しいところです。開花時には連日1万人余りの見学者が訪れた東京大学大学院理学系研究科附属植物園(通称「小石川植物園」)は、区内美術館、博物館、庭園など34施設を結ぶ文京ミュージアムネットワークの一つです。
こうした多くの文化施設のほか、他自治体に例をみないほど多数の大学があることが、我が「文の京」の自慢の一つです。
また、芸術文化の発信拠点として、今年3月に開館10周年を迎えた「響きの森文京公会堂(通称文京シビックホール)」では、歌舞伎俳優の中村勘三郎さんを名誉館長に迎え記念事業を開催しています。地下鉄4線が乗り入れるなど交通の利便さやクオリティの高い音響空間を実現するなど、自慢のホールです。
そして、半世紀の活動を経て今日に至る視聴覚ライブラリーも自慢の一つです。芸術祭大賞受賞の本区製作「絵図に偲ぶ江戸のくらし」を始め、約1、300点の映像フィルムを所蔵し、希望する団体に貸し出ししています。
また、アーカイブ活動では、区民から寄贈された昭和初期のコダック社製映写機、撮影機と当事撮影された映画フィルムなど、今後の活用が楽しみな資機材も保有しています。
さらに、毎月上映のシネマサロンも100回を重ね、毎回満員の盛況ぶりです。今後も、貴重かつ豊富な視聴覚資料の有効活用や企画の充実を図っていきたいと考えています。
最後になりますが、6月に策定された本区の基本構想では、地域の教育・文化資源を活かし「生涯学習日本一のまち」を目指すとしています。
(財)文京アカデミーでは、区民の皆様に優れた芸術文化を提供するとともに、多様なニーズに応じた「学び」の機会を提供し支援することで、「文の京」に文化・芸術・生涯学習の大輪の華を咲かせたいと考えています。
8月9日(月)・10日(火)の両日、第14回視聴覚教育総合全国大会並びに第61回放送教育研究会全国大会合同大会(東京大会)が、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開催され、2日間で延べ、1264人の参加がありました。
本大会1日目の9日に設定された10の「テーマ別分科会」では、熱心な研究協議が行われました。10日は、各団体功労者の表彰式、6分科会からなる団体別研究が行われ、それぞれが抱える問題を中心とした発表や協議、助言指導が行われ成果を上げることができました。
午後の合同全体会は、カルチャー棟小ホールにおいて開会行事が行われ、三角哲生全国放送教育研究会連盟理事長他の主催者挨拶に続き、文部科学大臣祝辞をいただき、その後NHKエグゼクティブアナウンサー梅津正樹氏による記念講演では、ことばの解説やコミュニケーションのあり方などについて話されました。また、視聴覚教材・機材展示研究会「第46回教育の近代化展」が18社の出展によって開催されました。休憩時間には、話題の「電子黒板」を中心とした新しいメディアに参会者の関心が集まっていました。
■全視連関係分科会=全視連関係は延130余名が参加=
全視連関係では、まず9日はテーマ別分科会「よりよい教材提供や利用と映像教材の制作」に、およそ50名の方々が参加されDVD教材「高齢者と共に生きる―最後までの日々―」の視聴と映像制作者、映像教材提供者、学習機会提供者3名のコメンテーターによる協議を会場との質疑応答を交えて行われました。
■全国公立視聴覚センター連 絡協議会総会の開催
分科会終了後、全国公立視聴覚センター連絡協議会総会が行われ、井上孝美幹事長の挨拶に続き、平成21年度事業報告・収支決算報告、平成22年度事業経過報告・中間決算報告が行われ承認されました。また役員の改選についても次の通り承認されました。
幹事長 井上孝美(全国視聴覚教育連盟会長)
副幹事長 小山慶一(千葉県総合教育センター所長)〈新〉
常任幹事 西田英三(北九州市立視聴覚センター所長)〈新〉
同 松井周之輔(新潟県立生涯学習推進センター所長)
幹事 外崎純一(青森県総合社会教育センター所長)〈新〉
同 山村隆信(福井市映像文化センター所長)
同 加藤敏久(富山県民生涯学習カレッジ学長)〈新〉
監査 全国視聴覚教育連盟監査が兼ねる
・山形県視聴覚ライブラリー協議会会長
・仙台市教育委員会生涯学習課長
■代表者会議の開催
続いて、今回始めて行われた加盟団体の代表者の会議では、照井副専門委員長より、新規事業であるブロック別研修会及び講師派遣事業について説明があり、ブロック内での情報交流や研修機会の充実共有、地域の視聴覚教育活動の活性化を図る支援事業として、地域の実態を踏まえた理解と具体化が要請されました。
■全視連視聴覚教育功労者表 彰式の開催
第2日の団体別分科会会場において平成22年度視聴覚教育功労者表彰式が執り行われました。
井上孝美会長のお祝いの言葉に続き、受賞者の方々に表彰状・盾が手渡され表彰式に参加された方々から、受賞者に盛大な拍手が送られました。(受賞者の詳細は、本紙4〜5ページ)
■団体別分科会で優れた実践 発表
引き続き、全視連分科会では「メディアによる新しい生涯学習と視聴覚ライブラリーの役割」また全視連・公立視聴覚センター連絡協議会共催分科会では「地域メディア(CATV、ミニFM局、タウン誌等)との連携による地域活性化と学習活動」をテーマに熱心な協議が行われました。
なお、分科会の詳細な報告は次号で紹介します。
全国視聴覚教育連盟では、各都道府県教育委員会および各加盟団体の推薦により、平成22年度 全国視聴覚教育連盟「視聴覚教育功労者」12名が決定いたしました。
なお、表彰式は国立オリンピック記念青少年総合センターで、8月10日(火)開催の「視聴覚教育・放送教育全国大会・東京大会」の全視連・分科会会場において執り行われました。
第13回・平成22年度 全国視聴覚教育連盟視聴覚教育功労者 功績概要
※別ページを参照下さい(該当ページにリンクします)。
1. 調査研究事業の目的
視聴覚センター・ライブラリー等視聴覚教育関係施設(以下、各視聴覚ライブラリー)の協力を募り、生涯学習に役立つ市販映像教材として、どのような作品が必要か、利用者が求める市販映像教材について調査研究を行い、その成果を教育映像制作に反映させ、作品の質的向上を図ることを目的とします。
2. 調査研究の方法
(1)事業協力参加の申し込み
「全視連調査研究対象作品リスト」(次頁)の中から、「調査研究協力作品の内容」を参照に各視聴覚ライブラリーが選定の上、各視聴覚ライブラリーより全視連事務局へ直接参加申し込み書により9月10日(金)までにファックスまたはメールにてお申し込みをお願いいたします。
(2)「全視連調査研究対象作品」のライブラリーへの決定通知
事務局はお申し込みいただいた希望作品を集約し、各視聴覚ライブラリーを決定し、協力依頼をファックスまたは添付メールで通知いたします。
B「全視連調査研究対象作品」の頒布価格
「全視連調査研究対象作品」は、各映像制作販売会社のご理解とご協力により、「調査研究価格」で提供し、調査研究をご協力いただきます。
3. 調査研究の取りまとめ
(1)「全視連調査研究対象作品」に関するアンケートの実施
応募いただいた各視聴覚ライブラリーは、それぞれの施設において、当該調査研究対象作品について事務局より後送する簡単なアンケート(A4・1枚程)を実施していただきます。そのアンケート結果を集約していただきファックスまたはメールで翌年1月31日(月)までに事務局へ提出をお願いいたします。
(2)アンケート結果の公開
調査研究結果は、協力映像製作会社に提供し、以後の制作の参考とするとともに、視聴覚教育時報及び全視連ホームページにPDFファイルで公開します。
4. その他
(1)本事業の特徴
調査研究にご協力いただくことで、映像制作販売会社から「全視連調査研究価格」で、頒布を受けることができます。また、アンケートも簡単な1枚のもので、担当者・視聴者の別に記入いただき、結果のみをファックスまたメールで期日までにご提出いただくものです。
(2)この事業に関する連絡先及び申し込み先
お申し込み先及びご質問ご連絡等ありましたら、左記までお願いします。
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-19-5 虎ノ門一丁目森ビル
全視連事務局 佐藤 正 メール info●zenshi.jp(●を"@"に変えて下さい)
TEL:03-3591-2186
※調査対象作品リストはコチラを参照下さい(該当ページにリンクします)。
1. 事業の概要
各加盟団体が域内の担当者を集めて例年実施する研究会・研修会を一層有意義なものにするため、全視連において組織する ”全視連指導協力者会議“の学識経験者の中から、要請に応じて講師の派遣を行う。
この研修への講師派遣は、全国7ブロックに分け、原則1ブロック1加盟団体を対象に年間7加盟団体(7名の講師派遣)の研修事業を支援し、全視連が講師謝金を負担する。なお、本年度以降ブロック内1加盟団体持ち回りで実施するようにする。
2. 講師謝金の支援
講師謝金 1名につき20、000円が全視連より支援される。(旅費は主催者により負担)
3. 申込方法
申込様式に必要事項を記入の上、全視連事務局へメールかファックスにより送付する(申込締切 : 9月30日(木))。
4. 事業の流れ
全視連事務局で加盟団体の研修希望を集約し、各ブロックで1名程度の派遣になるよう調整の後、各講師への依頼・日程調整を行う。日程調整が整った後は、講師と加盟団体が直接連絡を取り合って進める。
5. 報告
研修会の模様を「視聴覚教育時報」や「視聴覚教育」へ掲載する場合があるため、当日の風景を2〜3枚写真に撮り、研修担当者がA4・1枚程度の報告書を全視連事務局へ提出する。
氏名 |
所属 |
講演テーマ |
市川 昌 |
江戸川大学名誉教授 |
・マス・コミュニケーション論
・映像情報論
・コミュニケーションと文化
・生涯教育論 |
伊藤 敏朗 |
東京情報大学
総合情報学部情報文化学科教授 |
・映像表現法教育
・メディアリテラシー
・視聴覚ライブラリー |
坂井 知志 |
常磐大学
コミュニティ振興学部教授 |
・ライブラリーや教育現場での著作権の取り扱い
・デジタル・アーカイブ
・視聴覚教育の今後の課題 |
吉田 広毅 |
常葉学園大学
外国語学部准教授 |
・デジタルテレビの教育利用
・ICTの活用利用
・教員研修カリキュラムの開発 |
出口 寿久 |
和歌山大学
生涯学習教育研究センター長・教授 |
・社会教育
・生涯学習
・学校支援ボランティア |
川本 佳代 |
広島市立大学
情報科学研究科助教 |
・教育工学
・科学教育
・情報教育 |
松田 實 |
全視連専門委員長 |
・視聴覚教育
・情報教育
・視聴覚ライブラリーマネジメント論 |
照井 始 |
東京情報大学非常勤講師
(全視連副専門委員長) |
・視聴覚教育
・社会教育
・生涯学習ボランティア |
村上 長彦 |
足立区教育委員会
青少年センター青少年教育担当係長
(全視連副専門委員長) |
・視聴覚教育
・生涯学習施設における視聴覚メディアの活用
・生涯学習施設ボランティアの活用 |
◆全国大会の休憩時間での“映像教材の貸出しや上映会だけなら図書館にまかせてもいいじゃないか”って**課から言われたよと苦笑いしながらの雑談に、決め球を欠く視聴覚ライブラリーにもどかしさを感じた。
◆どこかのライブラリーのように自分らしい事業を確実に展開し成果を上げれば、その存在価値を主張できるきっかけになるだろう。知恵と工夫、そしてやる気と行動が大切だと思う。
◆折角の新規事業「ブロック別メディア研修事業」もいまひとつ反応が鈍い。
例えばブロック内の担当者研修会とか加盟団体事務局長連絡会など、何らかの学びの機会や情報交流の場を作ってはどうだろう。
◆印刷媒体を大切にしつつ、ホームページやメルマガそしてブログを最大限に活用して濃い情報発信を行いたいと考えている。
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