全国視聴覚教育連盟

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視聴覚教育時報 平成22年3月号(通巻659号)index

◆私のことば 教育先進地の風土に想うこと/山村 隆信(福井市映像文化センター 所長)

◆著作権処理問題について 覚書に基づく所有教育映像教材の取り扱い

◆平成22年度視聴覚教育・放送教育合同大会2次案内

◆第10回インターネット活用教育実践コンクール入賞発表

◆えすけーぷ

◆私のことば 教育先進地の風土に想うこと/山村 隆信(福井市映像文化センター 所長)

 福井県(福井市)は、ご承知のとおり小中学校の児童生徒の学力は全国学力テストで毎年全国1、2位のランクにある。また、体力も全国トップレベルである。この成績を収める要因はどこにあるのか、私なりに現状認識に基づき分析したいと想う。まず、教育には学校教育と社会教育に大別されるが、人として教育し、社会に役立つ人を育てるプロセスには、次の環境がある。それは、家庭・学校・地域などが挙げられる。その中で特徴的なことは、地域の教育力が他県より優れているところで、自治会組織のまとまりがあり、小学校校区を単位とした地区公民館を拠点に社会教育活動を行いながら、さらには地域コミュティとの相関を図っているところにある。また、視聴覚教育の面でも、各地区では子ども会の世話役などが中心に子どもたちに16ミリ映画やアニメなどを夏休みに上映していることもあり、地域が挙って子育てしていく土壌が根強く、今も続けられている。
 
 これらが相俟って、学校教育でも、学校の登下校時の不審者等対策にも見守り隊を組んで子どもたちの安全を確保していることから、安心して教育を受けられる環境があり、常に地域・学校・家庭の良好な関係が保たれていることも教育の先進地であり続けられるように想う。 当センターの今後の役割として、学力で日本一を続けていくには、学力を伸ばす教材は、県単位の組織に任せておき、社会教育を中心に教材を充実していくことが側面的な支援とも言える。
 
 最後に、平成22年度から取り組む事業を紹介する。従来から郷土学習コンテンツについて、校章や民族文化財のデジタル撮影を終え、ホームページに掲載しているところである。新たには市内小中学校73校の校歌をファイル化していくことや景観記録事業では15年経過し、3年周期で5巡目定点撮影してきたことから、この間劇的に変化を遂げた箇所や変化があまり無い箇所などをピックアップして、判りやすく説明したパネルなどにして市有施設を巡回し、展示していくことで、市民へこの事業の重要性を認識してもらい、後世のまちづくりへの資料としての価値も高めていきたい。
 

◆著作権処理問題について 覚書に基づく所有教育映像教材の取り扱い

 昨今の視聴覚センター・ライブラリーの貸出状況を踏まえ、製作販売会社及び視聴覚ライブラリー等それぞれの事業を活性化し、教育の向上に寄与できるようにする必要がある。
 著作権法及び覚書等に定められた基本的な事項の順守と事務処理について、権利者が代表する団体に対して左記のような要望を行ってきた。

■協議したい著作権処理問題 について
協議事項1 : 加盟製作販売会 社名簿および視聴覚センタ ー・ライブラリー名簿の定 期的交換事務の確認
協議事項2 : 頒布を受けた映 像作品の廃棄処分事務につ いて
協議事項3 : 頒布を受けた映 像作品の移管の許諾について
協議事項4 : 教育映像教材の 著作権処理問題に関する協 議会の設置について
 以上、4事項について、過日、覚書を交わした権利者団体より次のような回答があった。

■協議したい著作権処理問題 について(回答)
 社団法人映像文化製作者連 盟視聴覚教材委員会
委員長 栗山 健
 昨年十二月十日に貴連盟より要望のありました協議事項について、当連盟の視聴覚教材委員会では、映像教材制作を行う会員各社に通知し検討致しました。以下、会員各社の意見をもとに要望について回答させていただきます。

協議事項1 : 加盟製作販売会社名簿および視聴覚センター・ライブラリー名簿の定期的交換事務の確認について
 「著作権法第38条第5項及び著作権施行令第2条の2に規定する映画の著作物の複製物の貸与に係る補償金の扱いに関する覚書」の第2条に記載されている「年1回それぞれの会員名簿を交換し、相互に会員の異動状況を報告する」はこれまで実施されてこなかったが、「覚書」に則り、会員名簿(但し、「甲」の場合は、正会員と準会員法人名)を交換することに異存はない。

協議事項2 : 頒布を受けた映像作品の廃棄処分事務について
 頒布を受けたフィルム・テープ・ディスク等を廃棄処分しようとする場合は、著作権者には貸与権があるため報告義務が生じると思われるので、対象映像作品名を文書にして事前に通知を頂きたい。報告のルートとしては、当該視聴覚センター・ライブラリーが全視連を通じて、当該製作者販売会社が所属する団体(映像文化製作者連盟)に知らせ、団体は当該著作権者に通知し許諾を得ることとする。

協議事項3 : 頒布を受けた映像作品の移管の許諾について
 視聴覚ライブラリーの統合や廃止に伴い他教育施設に移管・譲渡される場合においても、協議事項2と同様に、事前に当該製作者販売会社が所属する団体に所定の文書(移管先、移管する作品名、製作販売会社名、頒布を受けた年度、移管の事由、移管後の扱い等を記載)を通知し、当該著作権者に頒布著作物の移管・譲渡の許諾を得るべきである。

協議事項4 : 教育映像教材の著作権処理問題に関する協議会の設置について
 教育映像作品等の取り扱いについて共通理解を促すため、今後の貸出問題を含めて協議するための協議会を組織することについて特に異存はない。

【解説】
 協議事項1とは、著作権法規定による視聴覚ライブラリー等の映画・ビデオソフトの貸与と補償金の扱いに関する覚書(昭和61年3月25日)に定められた事項、映文連加盟製作販売会社と全視連加盟視聴覚ライブラリーの名簿の定期的交換事務を行う事を指している。
 協議事項2は、視聴覚ライブラリー等が所有する映像教材が劣化したり使用不能になり廃棄処分を行う場合は、許諾を得る必要があることや所定の手続きを確認している。
 協議事項3は、視聴覚ライブラリー等が購入した映像教材は購入後も貸与権が権利者側にあるので、組織改変等で所有映像教材を他の組織に移管する場合の許諾を得る事務について述べている。
 協議事項4は、今後具体的な映像教材等の著作権処理問題に関して話し合う協議機関設置について合意する旨の記述である。
 なお、この具体的な事務処理については、検討する。

◆平成22年度視聴覚教育・放送教育合同大会2次案内

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◆第10回インターネット活用教育実践コンクール入賞発表

 文部科学省・インターネット活用教育実践コンクール実行委員会主催、総務省・経済産業省・朝日新聞社後援による第10回インターネット活用教育実践コンクールは、「地域社会や学校などの教育におけるさまざまな活動の中で、インターネットを有効に活用している優れた実践事例を表彰し、全国に広く紹介することにより、教育の情報化の推進を図ること」を目的に開催され、学校教育と社会教育の2部門について募集し、学校教育部門72件、社会教育部門23件の合計95件の応募を得て、平成22年2月15日、各賞を決定した。各賞の内訳は、内閣総理大臣賞1件、文部科学大臣賞2件、総務大臣賞1件、経済産業大臣賞1件、朝日新聞社賞1件、優秀賞2件、特賞2件。また、今後のインターネット活用を奨励する事例として、5件を実践奨励賞とした。
 表彰式は、3月19日(金)、東海大学校友会館(東京都千代田区)において行われた。なお、受賞先の詳細については、http://www.netcon.gr.jp/を参照。

■内閣総理大臣賞
●社会教育部門
「オバケーション」

特定非営利活動法人クリエイティブスマイル(東京都)
 社会環境の変化によって遊びが減少し、創造的な能力を育てにくくなった子どもたちに対して、子どものアイデア(文字、写真、イラストなど)をキャラクターにすることで、その想像力を形にし、社会で広く活躍させようというプロジェクト。オバケーションWEBサイトの運営やワークショップを実施した。

 

■文部科学大臣賞
●学校教育部門
「ネットで安心を届けた全校児童の2泊3日の離島体験」

三重県津市立太郎生小学校
 児童が答志島(鳥羽市)で宿泊体験を行った。保護者に安心を届けるべく、答志島からリアルタイムでメールやホームページで発信し続けた。ICTを活用することで、夢のような体験活動が可能となった。

 

●社会教育部門
「森の恵み地域の恵み探検隊 ―みんなでつくる信濃の国の物語―」

財団法人長野県緑の基金・「森の恵み地域の恵み探検隊」制作チーム一同(長野県)
 県の各地域で実施した自然体験・地域体験プログラムを13地域の制作チームがそれぞれに記録・編集することで、子どもからお年寄りまで、地域の多くの人々が教材作りに参画できる参加型の教材開発を行った。

 

■総務大臣賞
●学校教育部門
「ベッドサイド学習をする生徒のための遠隔教育の試み」

石川県立医王養護学校
 ベッド上での学習を余儀なくされている生徒がコミュニケーションをとれるよう、インターネットを用いて教室と病室を繋いで学習活動を行う実践に取り組んだ。今後は、登校の難しい生徒や病院訪問教育の支援に活かしたい。


■経済産業大臣賞
●学校教育部門
「島の未来を考えよう! ―小豆島活性化大作戦!―」

香川県小豆郡小豆島町立安田小学校
 スイス在住日本語教師からの一通のメール。小豆島を定年後の移住地のとして考えたい。深刻な過疎化が進む地域だが、メールを含めたICT活用で、島のよさをアピールし、将来的に島を活性化したい。そんな願いから本実践は始まった。

 

■朝日新聞社賞
●学校教育部門
「適切な情報発信ができる児童の育成を目指して」

茨城県筑西市立竹島小学校
 各教科等の学習において、学校ウェブサイトから情報発信を行うことをで、児童自らが考え、判断し適切な情報発信ができることをねらいとした。閲覧者を意識し、わかりやすく表現することで、適切な情報発信について考えさせた。

 

■優秀賞
●学校教育部門
「高校生による温暖化対策へのチャレンジ」

広島市立広島工業高等学校

●社会教育部門
「手仕事に学ぶ子どもたちのキャリア教育支援ネットワーク」
特定非営利活動法人地域学習プラットフォーム研究会(キャリア教育支援グループ)(富山県)

■特賞
●学校教育部門
「地域の教育資源を活かした地域貢献プロジェクト!―『ものづくり』を活かした環境教育の発信―」

徳島県立貞光工業高等学校

●社会教育部門
「通学路安心安全見える化大作戦」
鳥取県立倉吉東高等学校育友会

■実践奨励賞
●学校教育部門
「総合的な学習の時間に取り組んだフィンランドの学校との交流活動」

茨城県取手市立野々井中学校

「Weblogを利用した保護者参加型のメディア・リテラシー学習プログラムの開発とモデル化の試み」
東京都小平市立小平第五小学校

「中学校数学ICT教材『数学アーカイブス』の開発と実践」
岐阜県中学校数学教育研究会・岐阜県関市立旭ヶ丘中学校

「『Hi!家庭科』―家庭科教育におけるICT活用促進―」
徳島県高等学校教育研究会家庭学会

●社会教育部門
「キッズ地域情報発信基地局」

特定非営利活動法人CANVAS(東京都)

◆えすけーぷ

◆全視連改革計画が承認され、次年度より実現のための道筋を歩き始めます。
 実現に際し、様々な問題も予想されますが、存在価値のある団体として活動を進めることが出来ればと願っています。

◆今年は、全国大会が盛夏8月東京で開催されます。
 新たに、放送メディアの分科会も設けました。
 社会教育関係の場合は、それぞれ事業活動真っ盛りという多忙な時期だと思いますが、多数の方々の参加を期待しています。

◆メディアの多様化、デジタル化が定着しつつある中で、アナログメディアによる地味な活動(?)情報が、各地から伝わってきます。
 人の暖かさを感じさせる紙芝居や映画を、幼い瞳を輝かせながら見入る姿は、閉塞感を感じる時代だけに将来への希望を与えてくれるような気がします。

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