視聴覚教育時報 平成20年7月号(通巻639号)index
◆私のことば 映画の魅力を!/松井周之輔
◆特集 視聴覚教育総合全国大会合同大会内容決まる 情報化社会適応型メディアサービスを展望する−話し合いましょう東京大会で!
◆全視連新会長に井上孝美氏就任!
◆全視連共催地域教育メディア研修会の開催
◆平成18年度「教育メディア利用推進に関する調査研究事業」報告書 10「資料貸出について」(新潟県三市南蒲地域視聴覚教育協議会)
◆えすけーぷ
「いやー映画って本当にいいもんですね」の名文句を残され先月亡くなられた水野晴郎氏、「それでは次週をご期待ください。さよなら、さよなら、さよなら」の淀川長治氏、「小森のおばちゃま」こと小森和子氏など、個性あふれる映画評論家の解説を聞きながら育った一人として、多くの方に映画のおもしろさや素晴らしさを知ってもらいたいと願っている。
当生涯学習推進センターでは、186席のホールにて、毎月、映画・ビデオ鑑賞会を開催しているが、特徴的なことは、映画ボランティアの会が中心となって企画運営している点にある。映画ボランティアの会員は、現在15名で毎月1回定例会を開き、当センター所蔵の貴重なフィルムを使って、現代の諸課題と芸術・文化・歴史・スポーツ・娯楽・記録の2分野に分けて交互に鑑賞会を行いながら、大変活発に活動している。
ポスターやチラシ、県の広報媒体にてPRをしてきたが、昨年より某民放テレビ(テレビ伝言板としての無料広報)に毎月登場し、「知らないなんてもったいない!参加しないなんてほっとけない!」の合い言葉のもと、いつも笑顔で映画・ビデオ鑑賞会のPRを行っている。その取組が功を奏してか、鑑賞会も徐々に浸透して、最近、映画・ビデオ鑑賞会の入場者数も増えてきている。
映画ボランティアの定例会に時折参加しながら、映画を愛する仲間が楽しそうに和気あいあいと話し合う事柄に心ときめくことがある。それは、映画の魅力や映像の持つ力を再認識させられるだけでなく、映画を通して、いろいろな見方・考えを知ることができたり、人生などを論じることができたりすることからであろう。
近年は情報の氾濫や映像の魔力に麻痺させられ心荒んでしまう側面も見受けられるが、視聴覚教育に携わるものとして、良質な映像を提供し、映像の持つ力をもっと教育的な価値として高めながら有効に活用していきたいと念じている。
かねてより、合同大会準備委員会で検討を重ねてきました第12回視聴覚教育総合全国大会・第59回放送教育研究会全国大会合同大会の大枠が決まり、大会案内が発送されることになりました。
全視連関係は、10月24日(第1日)を、鞄燗c洋行新川オフィス(JR東京駅バス5分・地下鉄東京メトロ日比谷線八丁堀4分)でシンポジウムを、10月25日は国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、午前中に分科会、午後は文字通り全体会で表彰式および記念講演を行うことになっています。
詳細はこちら→http://www.javea.or.jp/soutai/ichiran.html
【第1日 : 全視連関係分科会】
■ネットワークシンポジウム「IT社会における視聴覚メディアサービスを考える」
全国大会全視連部会会場(内田洋行)と福井市映像文化センターをネットワークで結び、情報化社会適応型メディアサービスの今後を考えるシンポジウムを開催する。ネットワーク活用型のメディアサービスを体験しながら、従来型のメディアサービスとネットワーク活用型のメディアサービスを比較検討し、今後のあり方について研究協議を行う。また、企業施設を利用することで、最先端のメディア利用の現状に触れ、視聴覚教育関係者の今後の業務の参考にする事をねらいとする。
・助言者 松田 實(全国視聴覚教育連盟専門委員長)
・司会進行 中台正弘(埼玉県春日部市視聴覚センター主査・指導主事)
・コメンテーター
田中耕治(青森県総合社会教育センター学習情報課指導主事)
丸山裕輔(新潟県立生涯学習推進センター社会教育主事)
・ネットワーク参加
福井市映像文化センター
注)具体的には、福井市映像文化センターとの協議を行い、内容・構成等を決定
■鞄燗c洋行 新川オフィス(ユビキタス協創広場CANVAS(カンバス))見学
月のハイビジョン映像(190インチ×2)の視聴、最新のオフィス環境、社史等を最新のデバイスで紹介するプロジェクションテーブル等を見学。
■全国視聴覚教育連盟理事会・センター連絡協議会総会
なお、シンポジウム終了後同会場で第2回全視連理事会・第1回公立視聴覚センター連絡協議会総会も併せて開催する。
【第2日 : 全視連分科会】
@「著作権と映像メディアサービス」
映像頒布、制作、利用に関する著作権事例研究と、権利者側と利用者側によるパネル討議を行い、映像メディアサービスにおける著作権の取り扱いについての問題と今後の方向を考える。
・助言者 坂井知志(常磐大学教授)
・司会進行 中村祥一(千葉県総合教育センターカリキュラム開発部メディア教育班)
・コメンテーター
著作権権利者団体担当者((社)映像文化製作者連盟)
村上長彦(東京都足立区青少年センター青少年教育担当係長)
梶元達也(岡山県生涯学習センター情報課課長)
A[映画活用とその可能性]
生涯学習社会における視聴覚メディア利用の現状を把握するとともに、ネットワーク、デジタルの時代だからこそ持ちうる映画などアナログメディアの力と可能性を再発見する。
・助言者 照井 始(元千葉県視聴覚教育連絡協議会会長)
・司会進行 白井 浩(せんだいメディアテーク主査兼社会教育主事)
・発表者
酒井登(東京映像メディア研究会会長)
松澤澄江(横須賀市16ミリ試写室)
B[特色あるライブラリーづくりの実践に学ぶ]
全国の様々なライブラリーの特色づくりの実践に学ぶ。特色作りの方向として、コンテンツに特色を持たせた取り組み、映像制作や映像利用方法など施設面での特色を持たせた取り組み、など多様な可能性を探る。
・助言者 吉田広毅(常葉学園大学准教授)
・司会進行 出頭信二(茨城県鹿嶋市立中野東小学校教頭)
・コメンテーター
原田成夫(北村山視聴覚教育センター所長補佐)
丹治良行(栃木県総合教育センター生涯学習部社会教育主事)
【記念講演】
深町幸男氏(テレビドラマ演出家・映画監督)
日本を代表するテレビドラマ演出家。「夢千代日記」「花 へんろ」「あ・うん」等を演出、NHKを定年退職後NHKエンタープライズ、東北新社等で活躍されている。最近では映画「長崎ぶらぶら節」を監督した。当日は講演のみではなく、具体的に映像を使って解説いただく予定。
詳細はこちら→http://www.javea.or.jp/soutai/ichiran.html
昨年末逝去された故井内慶次郎会長の後任として、6月20日の(財)日本視聴覚教育協会理事会・評議員会において井上孝美氏(いのうえたかよし : 元文部事務次官)が新会長として承認されました。
同時に、全国視聴覚教育連盟会長職についても就任を承諾いただき、7月1日付で井上孝美氏が新会長に就任されました。
創立55年を迎えた全視連としては、第4代目の会長を迎えることになります。
初代会長 徳川宗敬氏(S28〜45)
2代会長 有光次郎氏(S45〜H7)
3代会長 井内慶次郎氏(H7〜H19)
井上孝美新会長は、昭和38年文部省入省、昭和63年大臣官房審議官、平成4年教育助成局長、同7年初等中等局長、同8年文部事務次官、同9年特殊法人放送大学学園理事長、同17年より放送大学教育振興会理事長として活躍され、今回(財)日本視聴覚教育協会会長に就任されました。
この夏、全視連事業のひとつとして、地方における教育メディア利用を活性化する地域指定の教育メディア研修会が岩手県盛岡市と新潟県の2か所で開催されることになりました。
・平成20年度盛岡市教育事務所管内視聴覚教育担当者研修会
・期日7月28日(月)
・会場 サンセール盛岡
・講演とフィルムセッション
詳細な事業実施状況は別の機会にお知らせしますが、この事業は、今年で4年目を迎え、第1回の大阪市から山形県北村山市、千葉県市川市、昨年の仙台市、そして水戸市と実施してきた研修会です。
全視連事業としては、あくまでも各地方の教育メディア研修会を支援する事業で、その主催地の持つ課題を中心にプログラムを組んで頂き、全視連はそのサポートとして講師派遣や事業補助費を提供するという形で行ってきました。
本年度は締め切らせていただきましたが、どうぞ加盟団体として次年度の事業計画を策定する際には、この支援事業に応募してはいかがでしょうか?
そして、理想的にはかつて全国を6地区に分けて教育メディア研修会を実施したように、いくつかの隣接する加盟団体が合同で研修会を開催できるようになればと願っています。
◆事例調査研究委員のコメント
平成の大合併で7市町村の共同執務。利用促進を目的にきめ細かな配送システムを構築している。講習会においても、利用者の希望を考慮して実施している。このように利用者と顔をあわせてのサービスの展開が効果を生んでいる。また、ボランティア団体の協力を得ながら活動している。しっかりした目的・方針に沿って続けることの大切さが伝わってくる。
(全視連専門委員・八木一隆)
表題 地域視聴覚教材制作研修講座
新潟県三市南蒲地域視聴覚教育協議会
平成18年度の総予算額 14、885、000円
うち本実践に関わる予算額 0円
0. 実践の概要
三市南蒲地域視聴覚教育協議会(以下三南ライブラリー)は1975年7月、三条市、加茂市、見附市、田上町、下田村、栄村(町)、中之島村(町)の7市町村での共同執務による教育施設として発足しました。平成17年、平成の大合併により、現在は三条市、加茂市、見附市、田上町の4市町で運営されています。三条市の三南教育文化会館の1階に104uの事務所兼資料室兼視聴覚作業室で執務しています。教材は約3700タイトル(16ミリフィルム、ビデオ、DVD、LD、TPなど)、貸出用機器は約110点(16ミリ映写機、プロジェクター、スクリーン、ビデオデッキ、スピーカーなど)を保有しています。
学校教育関係だけでなく、保育所、幼稚園などの幼児教育施設、公民館や図書館などの社会教育施設の登録団体にも広く貸出を行っています。
1. 実践の背景
三南ライブラリーの貸出数は2005年度で16ミリフィルムが1795本、録画教材(ビデオ・DVDなど)が2447本、機器貸出数1773回でした。登録団体数約211、地域面積約675km2、人口約195000人の地域です。
16ミリフィルムの貸出数の背景には、保育所などの幼児教育施設での定期的な映写会の開催があり、公民館や図書館でボランティアによって行われている地域ごとの映写会の開催があります。もう一つの特徴はライブラリー車による教材、機器の配送です。配送車を保有し職員が教材や機器を登録団体まで届けます。(三条市中心部は来館による貸出、返却)
2. 実践のねらい
(1)
貸出システム
平成18年度、貸出システムを変更しました。これまで14年間、使ってきたDOSのシステムに変わって、ウィンドウズのエクセルを使ったシステムになりました。DOSのシステムも今回のシステムも三南ライブラリーの貸出に合わせたオリジナルのシステムです。地域の小学校の先生に組んでいただき、貸出業務の多様な要求にも対応しています。
業務内容に合わせて作られた貸出システムが柔軟性のある教材貸出を支えています。
(2)
搬送車による教材の配送
三南ライブラリーでは搬送車を所有し、職員が学校や保育所など登録団体に直接、教材や機器を搬送、回収しています。(三条市中心部は来館による貸出・回収)地域を2つに分け、週2回(月・木曜日、火・金曜日)午前中に回っています。教材や機器、貸出の仕組を熟知した職員が回るので効率のよい教材・機器の配送が可能になります。回収したビデオ教材や機器を入れ替えして次の利用者に貸出す事などができ、貸出の効率を上げています。返却される教材が所定の場所に無い時なども教務室や事務室まで訪ねていく事ができ、教材の返し忘れや紛失などはほとんどありません。回収された教材・機器は「利用報告書」をもとに点検整備され次の貸出に備えます。電話やメールの予約で教材や機器、全てが届く便利さは登録団体から喜ばれ、アンケートでも高い評価を得ています。
(3)
利用者の要望に応じた講習 会の実施
年度初めに登録団体にアンケートをお願いし、要望に応じた講習会を行っています。平成18年度は「16ミリ映写機操作講習会」を3回行い、機器の操作については随時説明を行っています。保育所などには機器を持ち込んで行う「出前機器操作講習会」も行っています。
パソコン講習は、パワーポイントを使ったプレゼンテーション講習会、幼児教育に向けてのワードを使った「パソコンでおたよりをつくろう!」、ウィンドウズXP付属のビデオ編集ソフト、ムービーメーカーを使った「ビデオ編集入門講習会」を行いました。
以前、幼児教育のための「おたよりをつくろう(ワード)」「卒園式でアルバムを見よう(パワーポイント)」「園児のデータベースを作ろう(エクセル)」などパソコンの機能を幼児教育に向けて絞り込んだ講習を行いました。
講習会を行った事で幼児教育関係者との結びつきが強くなり、教材貸出がお互いに顔の見えるものになりました。
パソコン講習会は受講者のパソコン持ち込みで講習を行っています。自分のパソコンで学習するので帰宅してからも復習ができると好評です。
(4)
8ミリビデオ、ベータ、VHS、 スライドなどをDVD化
平成18年から、再生できない古いメディアの情報をDVDにする事業に取り組んでいます。ライブラリー所有の機器で再生し、DVD化しています。(個人で撮影したものに限る)
地域の方からの要望もあり、地域の古い映像発掘も兼ねて行っており、今年は地域の中学校に保管されていた膨大な資料をDVDにしました。中学校のホームページで広報され、卒業生の同窓会などで視聴できるようになり、喜ばれています。
3. 実践内容
16ミリフィルムはもう古いメディアと言われて久しく、準備や片付けに時間がかかる、暗くしないと見えないなどの理由で、学校の教材利用としては減少傾向にあります。しかし、読書週間に映写会を計画し、1週間通して昼休みに映写会を行うなどの機会には教室に入りきらないほどの児童が集まります。映写した小学校から「映画館に行った事のない子にとっては、16ミリで映写する映像が新鮮で喜んでいました。」と感想をいただきました。16ミリフィルムを教材として使用した中学校からは「見た事がないので、珍しいメディアとして子どもたちは興味を持って視聴し、暗くしなければ映らないので集中して見る事ができる。」と感想をいただいています。展覧会で教室を借りて、映写会を開催するとたくさんの子どもが集まります。地域の古い映像を流せば保護者の方々がずっと見ていかれます。準備と片付けの人手さえあれば学校教育の現場で映写をする事ができ、子どもたちにも喜んでもらう事が可能です。
三条地域の保育所では毎月、誕生会で映写会が行われ子どもたちが楽しみに待っています。
4月ごろ保育所になじめず、泣いていた子供が「映写の時だけ泣かずに見ていました。」と感想が書かれ、秋の頃には「だんだん長い作品もじっとして、見ていられるようになりました。」と子どもの成長を感じる感想が毎年のように寄せられます。三条市の保育所には映写機が配備されている事も大きな要因ですが、この頃では毎月ではありませんが他の地域でも映写機など装備一式を借りて、映写会を行う保育所が増え、貸出用映写機が足りなくなる事もあります。
社会教育では公民館や図書館で定期的に映写会が行われ、地域ごとにボランティア活動によって運営されています。
田上町にはもうすぐ120回目を迎えるボランティア映写会があり、子どもと保護者や祖父母が一緒に畳の部屋でゆったりと映写会を楽しんでいます。子供向けだけでなく、大人も楽しめるように考えた作品選びをしています。
見附市には13年続く16ミリ映写会があり、月に2回8人の会員が持ち回りで映写会を行っています。公民館の視聴覚室を会場に子供向けのアニメをメインに行われています。会場の設営や広報など、より多くの人に見に来てもらうための工夫をし、毎回多くの観客が集まっています。
三条市の公民館では、平成13年から「雪のまち映画のつどい」という高齢者向け映写会が行われ、毎回多くの観客が集まり、映写を楽しんでいます。今年から高齢者教室の会員が会の運営を受け持ち、会場準備や機器操作、片付けなどを行っています。平成19年度は16ミリの映写にもチャレンジする予定です。三条市の図書館では平成16年から毎月、映写会が行われ、一般向けに古い地域の映像やドラマ、ドキュメントなどを上映し、夏休みや冬休みなどには子どもたちが楽しめるアニメ作品を上映しています。
加茂市の図書館でも毎月、子ども向けの映写会が行われています。
4. 特長・工夫・努力した点
(1)教材、機器の選定
学校教育、社会教育、幼児教育の代表者15名が貸出実績や現場からの購入希望などを勘案し、実際の試写を経て購入しています。機器も現場では購入しにくい高規格品を揃え、体育館でも使用可能なプロジェクターを保有し、広い会場でも使用可能な機器や備品を備えています。
購入された教材は、毎月発行の「ライブラリーだより」で紹介し、詳しい内容は別に「新着情報」として発行しています。
(2)速やかな情報提供、
「ライブラリーだより」
ライブラリー行事のお知らせや報告、教材・機器を使用する上でのお願いや注意事項など、その時期に合わせた内容を掲載しています。幼児教育に向けた季節に関する教材の紹介や新学期の交通安全教材の紹介など新鮮でタイムリーな情報提供を心がけています。また、新着情報だけでなく「貸出報告」として「利用報告書」に書かれていた、教材や機器を使用した感想を掲載しています。
これから教材を利用する利用者に直接、感想の情報提供ができ、機器の意外な使い方などを知らせる情報提供の場になっています。
(3)
教材のピンスポット紹介〜教 材紹介だより「レッツゴー」〜
小学校に「5、6、7月」「9、10月」「11、12月」「三学期」の年4回発行しています。これから学習する内容に合わせて各学年、教科ごとに分けて紹介し、教材目録から探さなくても、すぐに使いたい教材がわかるピンスポットだよりになっています。
新学期には三南地域以外から転入された先生にも配布して、ライブラリーの使用方法や教材の紹介をし、視聴覚ライブラリー利用の促進を図っています。
(4)ライブラリーの貸出用カタ ログ「教材目録」の発行
利用者が使いやすく、より新しい情報が届くように作られています。内容は利用者の分野ごとに4つに別れています。
@幼児教育用
アニメ作品をメインに日本のお話、外国のお話、キャラクターもの、季節・行事、交通安全、火の用心、防災、防犯、保健など保護者に向けてのしつけや育児に関する教材も紹介し、それぞれの内容も付記されています。
A学校教育
学校教材を教科書の内容に沿って教科ごとに学年順に分類し、学年で教科書の順番に単元ごとに並べてあるので教材を探すことが簡単にできます。学習教材だけでなく所有の教材で単元に使用できるものはまとめて掲載しています。教科だけでなく「安全に関する教材」「道徳」「特別活動」「戦争」「同和人権」「福祉・ボランティア」「環境・リサイクル」「地域教材」などを分類して紹介しています。
B社会教育
社会教育で利用できる教材を分類ごとにまとめ、紹介しています。現在は地域の高齢者教室などの利用が多いので、「地域資料」や「高齢者」でまとめたページの利用が多いようです。少し大きくしたフォントも見やすいと好評です。
C貸出機器
所有の機器を写真入で紹介し、簡単な使用方法や機器を組み合わせて使用する方法も掲載しています。
(5)
ホームページによる情報提供
ホームページには「利用方法」「教材キーワード検索」「地域資料」「ライブラリーだより」「貸出報告」「教材目録」「学校用教材案内」「三条の歴史」「デジタル資料室」「教材/機器申込みフォーム」があり、ライブラリーだよりや教材目録など配布資料はホームページ上で見る事ができます。「教材目録」や「教材キーワード検索」「学校用教材案内」で教材を探し、教材/機器を使った感想が載っている「貸出報告」で感想を読み、「申込みフォーム」からメールで教材を予約する事ができます。利用者に教材や機器の情報提供をする場としてのホームページになっています。たよりや教材案内、貸出報告など、速やかな更新を行うようにしています。
5. 実践結果
16ミリフィルムの新しい作品の発売も少なく、予算削減のため高額な16ミリフィルムの購入が困難な状況です。新規購入教材がビデオやDVDになっていくので、保育所などの貸出がフィルムとビデオの混在型になっていくのは明らかです。
今後、現在所有する16ミリフィルムの劇映画や教材を眠らせる事なく、地域の方たちに楽しんでいただくために、すでに三南地域で活動している映写ボランティアをサポートし、さらに新たなボランティアを育成するための映写ボランティア組織を立ち上げたいと考えています。
16ミリフィルムの特性を生かした映写方法を考え、会場設定から運営の段階まで楽しんでいただける映写会を企画し、実行したいと思います。
6. 考察および今後の課題
三南ライブラリーは30年余の歴史に関わってこられた多くの方々の協力があり、映写会がたくさん行われる地域です。それゆえ、地区ごとに存在するボランティア映写グループなどの活動の特徴があり、多くの方々から支えられています。
組織も貸出システムや搬送など独自のものを有し、利用者との密接なつながり、フットワークやチームワークのよさなどが、当ライブラリーの伝統であり長所でもあります。現在、多くの情報があふれ、環境が瞬く間に変わっていく状況の中で視聴覚ライブラリーの役割も広範囲に渡ってきています。
貸出業務や講習会、情報発信など日ごろの業務を行いながら、三南地域で今も喜ばれている映写会を大切にし、時代を意識しながらも流される事なく、16ミリフィルム、ビデオ、DVDなどの特性を考えたサービスを実施していきたいと思います。
7. ホームページアドレス
http://www.sannan.net
◇今年の全国大会では、新たな視点から”映画の利用“を主題とした分科会を設けました。
旧メディアという固定概念ではない新映画時代の今日的視点から、市民は映画に何を期待しているのか、話し合う機会として参加してください。
◇昨年度の子どもゆめ基金助成事業で作成したDVD「みんなで踊ろう!レッツヒップホップ」を各視聴覚施設や青少年施設に配布しましたが、配布後インターネットを通じて、頒布を希望する方々がたいへん多いようです。
希望する方々の中には、教師の方々も多く、授業の中でぜひ使いたいのでというコメントなどが付けられています。
関係施設でも、配布されたDVDをお蔵にせず、ぜひ利用できるように情報提供をお願いします。(M)